資産除去債務とは
アスベストとは、古くから非常に安価でありながら、耐熱性・耐薬品性・絶縁性等の特性に優れているため、建設資材・電気製品・自動車・家庭用品等の約3,000種類を超える利用形態があると言われています。特に建設資材分野では、優れた耐火性能や防音性能を持つことから、多種多様な用途に使用されてきました。
しかし、通常の環境では分解されないため環境中に蓄積され、きわめて細かい繊維(髪の毛のわずか1/5,000の細さ)で、大気中に飛散しやすい性質を持ちます。アスベストの繊維を吸い込むことにより、アスベスト肺、悪性中皮腫、肺がんなどの病気を発生する恐れがあります。また、アスベスト利用の歴史は古いもの、現在でも有効な治療法は確立されていません。
アスベスト健康被害は、建物の経営や資産価値評価だけでなく、風評によるブランドの低下、損害賠償の発生により、企業経営に多大な影響を及ぼします。それにより、アスベストを使用している建物に対し、2011年3月期から国際会計基準とのコンバーションを目的として『資産除去債務』の計上が強制的 に適用されます。これまで簿外債務にあった「環境債務」はオンバランス化され、資産除去債務を合理的に見積もった上で、財務に計上しなければなりません。
健康を害するアスベストの対策は、完全除去をする方法が一番望ましいことですが、現実には既に”対策済み”とされている建物でも、従来工法では実施や解決が困難だった箇所のアスベスト対策は、事実上『無策』のまま放置されているケースが多々あることが判明しています。
ハイスペック・アスベスト封じ込め工法は、従来工法では困難だと言われている、入居中・テナントと来店客・周囲環境・作業者に掛る負担を少なくし、 低コストで短期間に対策が可能な工法であり、建物の資産価値と流動性を高め、建物の所有者や経営者のリスクを軽減します。ハイスペック・アスベスト封じ込め工法は、超低圧式・超微粒子化ノズル(独立行政法人宇宙航空研究開発機構”JAXA”)を使用し、従来では薬剤噴霧の出来なかった箇所への施工や、無人噴霧による作業員の安全性を考慮した画期的な工法になっています。